『五人の男』庄野潤三
私の家族の顔を見るより先に瘠せた梨の木のそばにある彼の部屋が見え、彼の部屋が見えるよりも早くその中に坐っている彼が見えるのだ。
すると、その時はもう彼は祈り始めているか、何時でも祈り出しそうな姿勢で坐っている。私は正直に云うと、その姿が見える度に喜びを感じるのだ。
この気持はいったいなんと説明すべきものだろうか?
この本に入ってる『五人の男』という小説を読みました。
主人公のおじさんが、おもしろいと思ってる五人の男を紹介してくれます。
一人目:毎日壁に向かって祈りを捧げる男。
二人目:「愛媛」という字の読み方が分からなくて彼女に責められる男。
三人目:喘息を治すために、皮膚の手術をする男。
四人目:目に猛毒をもつ蛾が入って、失明寸前まで行く男。で、仕事を休んで家にいる間、目を話したすきに4歳の子供が溺死しかけるが、ぶるんぶるん振り回して蘇生させる。
五人目:ガラガラヘビに自分の手を噛ませて、治すという実験をしている男。噛まれてすごく痛いんだけど、人目につかないところでじっと耐える。
四人目とかむちゃくちゃです。
五人目はなんかかわいいです。